コンタクトレンズはレンズが目の角膜に乗っていますが、メガネの場合はレンズと目の間に一定の距離があるので、同じ度数でも見え方が変わってきます。
また、コンタクトレンズはメガネに比べて視野が広く、視界の周辺の歪みが少ないので、すっきりとした見え方が特徴です。
意外と知らない!?コンタクトレンズとメガネの違いをご紹介します。
1.コンタクトレンズの方が、視野が広く自然に見える
メガネはレンズと目の間に一定の距離があるので、レンズの度数によっても網膜に結像される大きさに差が出るため、物の大きさが実物と異なって見えることがあるほか、歪んで見えることもあります。
一方、コンタクトレンズは目にくっついている(涙に浮いている)ので、見え方にほとんど歪みが生じません。
また、コンタクトレンズは目の動きに合わせてレンズも動くため、常に視線とレンズの中心が離れることがなく、ほぼ正しい距離感で見ることができます。
そして、何と言っても視野が違います。メガネだと視界の端の部分がレンズから外れてしまいますが、コンタクトレンズは黒目の中心の瞳孔部分を直接覆っているので、メガネよりも広い視野で見ることができます。
コンタクトレンズで見える視野は210度、眼鏡は120度と、その差は90度にもなるほど視野に違いがあるのです。
2.度数と見え方に大きな違いがある
コンタクトレンズとメガネではレンズの大きさや厚みにも違いがあります。コンタクトレンズは、中心の厚さが0.03ミリや0.07ミリなのに対し、メガネの中心の厚さは1ミリから2ミリです。両方とも、レンズの度数が強くなるほどレンズの厚みは分厚くなりますが、その変化はメガネの方が顕著です。
また、レンズは目から離れるほど度数の効果が弱まってしまうので、メガネの方が強めの度数が必要になります。
その為、左右の度数に大きな差がある方は、コンタクトレンズが向いています。
メガネでは、左右の度数に大きく差があるとレンズの厚みの差も大きくなり、物の大きさがそれぞれで違って見えてしまうので、両眼で見たときにはブレて違和感が出てしまいます。
しかし、コンタクトレンズでは見える物の大きさがほとんど変わらないので、違和感なく見ることができます。
また、メガネは度を強くするほど、レンズが厚くなるので、強度の近視の場合にはレンズの周辺が厚くなり、見た目が悪くなるという面もあります。
3.正しい使用方法なら、どちらも視力は低下しない
眼鏡もコンタクトレンズも長期的に使っていると視力が低下すると聞いたことがあるかもしれませんが、そんなことはありません。
基本的には、眼鏡もコンタクトレンズも正しい度数のものを使うこと、そしてコンタクトレンズであれば使用時間を守って装着していれば問題ないとされています。
ただ、コンタクトレンズ・眼鏡どちらであっても、視力の矯正が強すぎたり弱すぎたりすると、目を酷使して眼精疲労を招いてしまい、それが引き金となって視力が低下する恐れがあります。
定期的に眼科検診を受けて度数の調整を行うことが大切です。
4.メガネとコンタクトレンズ、それぞれのメリット・デメリット
4-1 コンタクトレンズのメリット・デメリット
【メリット】
- 眼球全体をレンズが覆うため、視界の歪みが発生しない
- 眼鏡のようにレンズが曇らないためストレスが少ない
- 左右の視力が大きく異なる人の視力矯正に適している
【デメリット】
- 装用時に眼球に触れるため感染症の懸念がある
- 酸素透過性の低いレンズだと角膜の細胞に酸素が届かず白内障になるリスクが高まる
- レンズによって眼球を傷つける恐れがある
4-2 メガネのメリット・デメリット
【メリット】
- 眼球に指が触れないため、衛生的である
- 眼球を傷つける心配がない
【デメリット】
- レンズ部以外は裸眼状態になるので、ピントがずれて視界が歪み頭痛やストレスの原因となる
- 壊れると代わりのメガネができるまで日常生活に困る
5.【まとめ】コンタクトレンズとメガネは併用すべき!
5-1.「スペクタブラー現象」って知ってる?
コンタクトレンズを外してすぐメガネをかけると、しばらく視界がぼやけたり、かすんだりすることがあります。「スペクタルブラー現象」といいます。
これはコンタクトレンズの長時間の使用(主にハードレンズ)によって一時的な角膜浮腫が起こるため、角膜のなめらかさ、厚さ、角膜の曲率半径に変化が起こり、屈折状態が一時的に変化することをいいます。
このような現象を避けるためにも、状況に合わせてメガネを上手に使用することが必要です。
5-2.コンタクトレンズとメガネは仲良し
ここまで読まれた人のなかには「コンタクトレンズの方が良い」と感じているかもしれませんが、だからといってメガネがまったく必要ないことにはなりません。
例えば、眼に異常を感じた場合、そのままコンタクトレンズを装用しているわけにはいきません。でもレンズを外したままでは不自由!そんなときに助かるのがメガネです。
また、眼障害にかかったときなど眼科医の指導でコンタクトレンズの装用を一時的に中止せざるを得ないことも考えられます。
万が一に備えて、メガネもお持ちいただくことをおすすめします。