「はやり目」は、子供が夏の時期にプールなどで感染することが多いため夏の病気と思われがちですが、年間通して発症率の高い眼の病気のひとつです。
また、非常に感染力の強い病気のため子供に限らず大人でも感染するリスクの高い病気なので注意が必要です。
1.ところで「はやり目」ってなに?
はやり目は、感染力が大変強く流行性であることから「はやり目」と呼ばれていますが、正式名は「流行性角結膜炎」と言いアデノウイルスというウイルスが原因で起こる急性結膜炎の一種です。
特徴は何と言っても感染力の強さ!はやり目に感染した人が触ったものを触り自身の目をこする。感染者と同じタオルを共有するといった行為では、ほぼ100%の確率で感染するといっても過言ではありません。(空気感染はしません。)
2.「はやり目」は接触感染がほとんど
はやり目は、手や指を介しての接触感染が主な感染ルートとなっています。プールでの感染が多いのもそのためです。
ウイルスの潜伏期間は、だいたい8~14日(多くは5~12日)。その後発症しますが、最初から両目とも発症するわけではなく、片目感染後2~3日以内にもう一方の眼にも感染することが多いと言われています。
3.これってもしかして「はやり目」かも…?
はやり目の症状としては、次のものが挙げられます。
- 白目(結膜)の充血
- まぶたが腫れる
- さらさらとした目やにがだくさんでる
- 涙がでる
- しょぼしょぼ感したり異物感がある
- 光がまぶしい
症状がひどい場合は、角膜が傷つき傷跡が残る角膜混濁になったり、まぶたの裏側に炎症の白い膜(偽膜)ができることもあります。もしかしたらはやり目…?と思ったら、すぐに眼科を受診するようにしましょう!
4.はやり目の正しい治療法は?
残念ながらはやり目の原因であるアデノウイルスに対して効く薬は現在なく、基本的には自然に症状が治まるのを待つしかありません。
発症後、7日~14日程度で完治する場合が多いですが、ひどい場合は長引くこともありますので感染したウイルスへの抵抗力を高めるために十分に休息をとるようにしましょう。
また、細菌の混合感染を防ぐため抗菌点眼や炎症を押さえる炎症止めの点眼を行う場合もあります。
5.治るまでの期間に気をつけること
はやり目に特効薬はありませんが、完治するまでに日常で気をつけた方が良い点はいくつかあります。感染させないために、また感染しないためにも以下の点に注意するようにしましょう。
- 手で目をこすらない
- 患者も家族も手を流水や石鹸でよく洗う
- 患者とそれ以外の人で、手や顔を拭くタオルを分ける
- 目を手やタオルで拭かず、ティッシュペーパーや清浄綿などの使い捨てのものを使用する
- 感染したら休養をとって免疫力を落とさないようにする
- 人混みへ出かけない
- 学校、幼稚園、保育園は医師の許可がでるまで休む
- 医師の許可があるまでプールに入らない
- お風呂は患者が最後に入るようにする
6.「はやり目」は、学校感染症に指定されている
軽く思われがちのはやり目ですが、非常に感染力が強いため学校保健安全法上の第三種感染症に指定されていて、医師の許可が出るまで学校へ登校は禁止されています。
大人の場合も、感染を広げないために出社は控えるようにするのが望ましいでしょう。
【まとめ】
もしご自身が「はやり目」に感染した場合、しっかりと休息をとって治すことはもちろんのこと、他者へうつさないように配慮することも大切です。特に二次感染率の高い、家族への対処は気をつけるようにしましょう。