「使っているコンタクトレンズの度数はいくつですか?」と聞かれたら、あなたはきちん答えられますか?「1.0ないと思います」…それは視力です!
何をいまさら当たり前のことを、と思うかも知れませんが、たまに度数を視力の数値で答えてしまう人もいます。
では、もう一度。「あなたの使っているコンタクトレンズの度数はいくつですか?」
きちんと答えられるでしょうか。
意外と知らない、覚えていないコンタクトレンズの度数について、もう一度考えてみましょう。
1.そもそもコンタクトレンズの度数って何?
コンタクトレンズの度数とは、そのレンズが持つ矯正力を表す値です。コンタクトレンズ箱に注目してみると、Dといった記号とその横に+0.00といった数字の表記がされています。これがコンタクトの度数を意味します。
この、D(ディオプター)という記号がコンタクトレンズの度数のことで、「+0.75」「-5.00」などと小数点第二位まで表記され、0.25ピッチ(刻み幅)で数値が上がっていきます。度数の前についているプラスとマイナスは、そのコンタクトレンズが近視用か遠視用かを表しています。
プラスは遠視用のコンタクトレンズ、マイナスは近視用のコンタクトレンズです。
プラスの方がマイナスより強いというわけではなく、プラスマイナス問わず、ゼロから離れれば離れるほど度数が強いことを意味します。
2.いまさら聞けない!?視力と度数の違いや関係性は?
視力とは、眼で物体を識別する能力のことです。視力にはさまざまな種類があり、たとえば動いている物体を識別する動体視力や、遠近感や立体感を正しく把握するために必要な深視力、手元の物に焦点を合わせるために必要な近見視力などといったものがあります。
ここでは、一般的に言われる視力、すなわち静止した対象物を見る時に働く静止視力について考えてみましょう。
視力と聞くと視力検査で使う「C」のマークのことを思い浮かべる人が多いかもしれませんね。あの「C」のマークは正式にはランドルト環と言い、細かな規定が設けられています。
実は全ての環が同じ比率で、「直径:円弧の幅:輪の開いている幅=5:1:1」となるよう作られているのです。
日本の場合、直径7.5mm、太さ1.5mm、幅1.5mmのランドルト環が基準となり、これを5メートル離れたところから正確に言い当てられれば視力1.0になります。
視力が1〜10までの分かりやすい数字で表されず、0.1や0.3などと細かいのは、「1.0」を絶対的な基準にしているからです。
3.コンタクトレンズの度数はどうやって測るの?
簡単にコンタクトの度数に関する計算式は、「コンタクトの度数=0.4÷視力」 「視力=0.4÷コンタクトの度数」です。ただし、データはとても信憑性の低く、おおよその値として目安にしてください。
「視力」と「コンタクトの度数」の関係を簡単に表すと、下の表になります。「視力が下がれば度数は上がる」というパターンが基本です。おさらいになりますが、
- 近くの物体が見えにくい遠視の度数はプラス(+)
- 遠くの物体が見えにくい近視の度数はマイナス(−)
となります。
数字は0.25単位で、プラスマイナス関わらず、数字が大きいほど(絶対値が大きいほど)遠視や近視の度合いが高くなります。
ただし、これもあくまで目安でしかありません。正しい視力と度数は眼科医できちんと検査してもらうようにしましょう。
4.コンタクトレンズの度数に上限はあるの?
ソフトコンタクトレンズの場合、近視だと-12.00D程度、遠視だと+5.00D程度が一般的。
ただ、ソフトコンタクトレンズは矯正力が弱いので、近視度数が-10.00Dを超えてしまうと、矯正しても明瞭な視界は得られないかもしれません。
一方、ハードコンタクトレンズの場合は上限値が高く、商品によっては近視遠視問わず25.00Dというかなり強い度数まで用意されているものもあります。
5.どれくらいの視力になるとまずい?0.1以下ではコンタクトを使えない?
コンタクトレンズを使っている人の中でも、視力0.1以下の人は多くいます。少し眼が悪ければ、視力0.1なんて簡単に下回ってしまうということです。
だからといって、視力0.03以下になるとまずいかというと、そういうわけでもありません。
裸眼で何も見えないのは困るでしょうが、それ以外の問題は特にありません。
6.視力がずっと下がり続けるとどうなちゃうの?
視力がずっと下がり続けてそのまま失明ということはまずありません。それに、視力が下がり続けているといっても必ずどこかで緩やかになります。
よほど眼を酷使したりしていない限り、同じ速度で永遠に下がり続けるといったことはありません。コ
ンタクトレンズを使ううえでなにより大切なのは、定期的、できれば3ヶ月に1回は眼科に行き、自分の視力や目の状態を検査したうえで、自分に合ったコンタクトレンズをつけることです。