2019.8.20 コンタクトレンズのすべてのケアを1本で! 便利な溶剤「MPS(マルチパーパス・ソリューション)」 Tweet Pocket 2週間タイプのソフトレンズやハードレンズを使用しているコンタクトユーザーにとって、日々の丁寧なお手入れは欠かせません。 瞳に直接装着するレンズには、タンパク質・脂質・カルシウムなどの分泌物や汚れが付着するため、毎日しっかりと洗浄し、適切に保管する必要があります。 手間のかかるレンズのケアですが、洗浄・すすぎ・消毒・保存のすべてが1本でできる溶剤「MPS(マルチパーパス・ソリューション)」をご存知ですか? 今回は、コンタクトレンズのケア用品の中でも特に人気の高い、便利なアイテム「MPS」の特徴や使用上の注意点をご紹介します! 1.MPS(マルチパーパス・ソリューション)とはどんな液? レンズの洗浄から消毒、保存まで使える便利なケア用品 コンタクトレンズを清潔に保つためのケアと言えば、過酸化水素タイプの消毒液を使用するか、煮沸消毒を行なうかの2択が従来的なやり方でした。 これらは洗浄剤、中和剤、保存液などを別に購入する必要がありましたが、MPSはレンズの洗浄・すすぎ・消毒・保存がすべて行える“マルチ”な溶剤として開発されました。 MPSの主成分は界面活性剤 面倒なレンズケアがたった1本で簡単に行えるMPSの主成分は、界面活性剤です。 装用後の洗浄、レンズケースに入れての保存、装用前のすすぎはもちろん、除菌・消毒効果も兼ね備えているため、自宅や勤務先でのケアだけでなく、旅行先や外出時に持ち運ぶ際にも手軽で便利です。 MPSの正しい使い方 1.こすり洗い・除菌 きれいに洗った手のひらの上にコンタクトレンズを乗せ、MPSを数滴たらしてこすり洗いします。レンズの両面を指の腹で丁寧に洗浄することで、付着した分泌物や汚れを取り除くとともに、レンズの表面を除菌します。 2.すすぎ こすり洗いが終わったら、十分な量のMPSでレンズの両面をすすぎます。レンズケースに入れて保管する前だけでなく、再度装用する際にもしっかりとすすぎましょう。 3.保存・消毒 しっかり洗浄し、自然乾燥させたレンズケースにMPSを満たし、レンズを浸します。一定時間以上保存しておくと、ある程度の消毒効果が見込めます。 3.効果の過信がトラブルの原因に!? MPSの消毒・殺菌効果は低め コンタクトレンズのケアが簡単に行えるMPSですが、従来の過酸化水素液や煮沸消毒と比べて、消毒・殺菌効果は低いと言われています。 最も消毒効果が高いケア方法は煮沸消毒で、目に悪影響を及ぼす可能性のある細菌を100%除去できます。 一方、MPSの場合は、水道水などに含まれる微生物「アカントアメーバ」や真菌(カビや酵母)に対する消毒効果がほとんどありません。レンズの洗浄時に誤って水道水を使ったり、レンズケースを十分乾かしていないと、眼病の原因となるアカントアメーバや真菌が繁殖してしまう恐れがあります。 「しっかりこすり洗い」が何より大切 煮沸消毒や過酸化水素液より消毒・殺菌効果が低いMPSですが、保存前にこすり洗いをしっかり行なうことで、眼病の原因菌を取り除くことができます。 あらかじめ細菌を洗い流しておけば、レンズケースの中で細菌が繁殖することはありません。 MPSを利用しているコンタクトユーザーの中には、浸け置きだけで洗浄・消毒効果があると勘違いしている人もいるようですが、これは大きな間違い。 石鹸を使ってきれいに洗った手で、丹念にレンズをこすり洗いしてあげることが、目のトラブルを防ぐ最善策となります。 【まとめ】MPSで利便性とより良い装用感を手に入れよう! 今回は、コンタクトレンズの洗浄・すすぎ・消毒・保存が1本で片付いてしまう溶剤「MPS(マルチパーパス・ソリューション)」についてご紹介しました。 MPSの特徴と注意点を知り、正しく使用することができれば、とても利便性の高いケア用品として、日々のお手入れに役立つこと間違いなしです。 また、レンズを保管する際の保存液としても使えるMPSは、消毒効果だけでなく、レンズにうるおいを与えてくれる商品も数多く市販されています。 使用しているレンズや自身の目に合ったMPSを選び、より良い装用感も同時に手に入れましょう! Tweet Pocket