コンタクトレンズのパッケージや目の検査データには、多くの専門用語が使われています。コンタクトレンズを購入する場合、ある程度知識があった方が安心して選べます。
この記事では、コンタクトレンズにまつわる専門用語の基礎知識をご紹介します。
1.レンズデータについて
1-1 BC(ベースカーブ)
レンズのカーブ(レンズ内面の曲率半径)、コンタクトの曲がり具合を示しています。8.5や9.0などmm単位で表示され、BCの数値が大きければ大きいほどカーブがゆるくなります。
眼球のカーブに対してベースカーブが小さい場合、眼球が圧迫され張り付くような締め付けを感じることがあり、逆にベースカーブが大きい場合、目を動かしたときにレンズがずれるように感じることがあります。
1-2 PWR(パワー)/P/D/SPH
レンズの度数のことです。-1.25や+3.00などの数値で表され、マイナスは近視用、プラスは遠視用のレンズであることを示します。
表記は「P」「D」「SPH」や、項目名が省略されていて「-3.25」などと数値だけが書かれていることもあります。
1-3 DIA
レンズの直径のことです。13.6や15.0などmm単位の数値で表され、レンズごとに固有の数値となっている場合がほとんどです。
1-4 CT
レンズの中心の厚みを表す数値です。通常、BC/P(PWR)/DIAの3つの規格により、自動的に決定します。
1-5 CYL/CY(シリンダー)
乱視の度数のことで、一般的に単位はディオプターで表されます。乱視の度数は円柱度数ともいわれ、「C値(cylindricalvalue)」で表されます。数字が大きくなるほど、乱視が強いということになります。
1-6 AX/AXS(アクシス)
乱視の角度のことです。乱視の方向は「A(Axis)」で表されます。レンズの軸が水平方向の場合A=0度、垂直方向の場合A=90度と決められています。
1-7 ADD(アディション)
加入度数(遠近の度数差)を意味します。遠近両用の手元補正用の数値で、遠近両用レンズの度数はPWR -5.50 (+1.00)というように2つの度数が表示されています。
この数値は、遠くを見るときは-5.50で、近くをみるときは+1.00ゆるめるという意味です。遠用の度数に対して、手元用に+1.00 ~ +3.00までゆるめることが可能です。
1-8 バイフォーカル
遠近両用タイプのひとつ。1つのコンタクトレンズの中に遠く用と近く用の2種類の度数があり、それらがハッキリ分かれています。
中心部、周辺部どちらに遠用、近用が配置されているかはコンタクトレンズにより異なります。
遠く用と近く用の2種類がハッキリと分かれている分、いわゆる中間距離の部分の見え方と言う点では少し見劣りを感じる場合もあります。
1-9 マルチフォーカル
遠近両用タイプのひとつ。コンタクトレンズの中心から周辺部に向かって徐々に度数が変化していく、焦点がたくさんあるレンズ。中心部、周辺部どちらに遠用、近用が配置されているかはコンタクトレンズにより異なります。
遠く用と近く用の間にいわゆる移行部的な度数の部分があるため、ある意味ではバイフォーカルのデメリットをカバーしているレンズと言えますが、バイフォーカルのようにハッキリと分かれていないだけにすべてにおいて「そこそこ」の見え方に感じる場合があります。
1-10 シングルBCタイプ
BCが固定のタイプ。たいていBCが8.6の1種類で、ほとんどのコンタクトユーザーにフィットするよう設計されたタイプのレンズです。
2.その他の用語について
2-1 終日装用
起きている間だけレンズをはめ、眠るときは必ずレンズをはずす装用方法です。
2-2 連続装用
レンズをつけたまま眠ることができる装着方法(最長1週間まで)のことです。眼科医指導のもの着用しましょう。
2-3 カラコン
カラーコンタクトレンズの略称。
2-4 トーリック
乱視用レンズのことです。