コンタクトレンズを使っていると、ある日レンズが白っぽくなっていることに気がつくことがあります。コンタクトレンズに汚れが蓄積すると、コンタクトレンズ寿命の短縮や装用感の悪化につながるばかりでなく、目に悪影響を及ぼすケースもありますので注意が必要です。正しいケア方法を身につけて、汚れのない健康なコンタクトレンズライフを送りましょう。
1.そもそも、コンタクトレンズはどうして汚れるの?
コンタクトレンズの汚れには大きく2つの種類があります。1つ目は「タンパク汚れ」。涙腺や角膜等からの分泌物に含まれるタンパク質、脂質、無機物などがコンタクトレンズに付着してレンズの汚れになります。特にアレルギー性結膜炎の症状の強い人、ドライアイが強い人は分泌物が多く、レンズが汚れやすくなります。「タンパク汚れ」は、コンタクトレンズの洗浄液できちんとケアすれば洗浄することができます。
厄介なのが、2つ目の「油汚れ」。近年、化粧品がコンタクトレンズの汚れの大きな原因になっています。コンタクトレンズに化粧品がつくと、つけ心地の悪化、レンズの曇りや目の異物感、かすみの原因になるばかりでなく、汚れにより目にキズがつくこともあります。特に、油分を多く含むファンデーションやハンドクリームが付くと、コンタクトレンズはたちまち曇ってしまいます。最近流行の「落ちない、くずれない」といったUVファンデーションは、コンタクトレンズについても非常に落ちにくく、コンタクトレンズのケアの大きな障害になっています。
いつもと同じ洗浄をしているのにコンタクトレンズが白っぽく汚れるのは、化粧品の油脂がレンズに付着していたり、こすり洗いが不十分でタンパク汚れを落とし切れていなかったりすることが原因だと考えられます。
2.レンズを装用するのはスキンケアや化粧の前に!
日頃使っている化粧品や、スキンケアに使う保湿剤や乳液、日焼け止めの多くには油分が含まれています。スキンケアから化粧が完成するまでの工程には、たくさんの油分が手に付いている状態。石鹸で手をしっかり洗わないとなかなか汚れは落ちません。コンタクトレンズはスキンケアや化粧を行う前に装用するようにしましょう。反対に化粧を落とす時には、コンタクトレンズをはずしてからクレンジングをするようにしましょう。
また、体質的にもともとタンパク質の分泌が多い方や、アレルギー体質の方は通常よりコンタクトレンズが汚れやすいと言われています。そんな方は、使い捨てのコンタクトレンズに変えたり、眼鏡と併用したりするなどして汚れを最小限に留めるよう工夫しましょう。
3.レンズの汚れを落とす、効果的なケアの方法は?
コンタクトレンズのケア方法は、ソフトレンズとハードレンズで異なります。また、ケア用品によっても方法が違うため、自分のコンタクトレンズに合ったケア方法をきちんと知っておく必要があります。
「知ってて損なし!コンタクトレンズの種類別正しいケア方法」へリンク
4.【まとめ】そもそも、あなたの手はキレイ?コンタクトの汚れを気にする前に、きちんと手を洗おう
4-1.実はあんまり手を洗っていない人が多いかも?
コンタクトを扱うとき、きちんと手を清潔にしていますか?実は、トイレに行って、面倒だからと手を洗わない男性も多いのではないでしょうか。さまざまな物に触れている手には、雑菌がいっぱいついています。もし、雑菌のついた手のままコンタクトを付けたり外したりすると、目に雑菌が入り込んで、かゆみや炎症が起こる原因にもなりかねません。「家に帰ったら手洗いうがい」。お母さんに言われない年齢になっても、手はきちんと洗いましょう。
4-2.普通に生活しているだけでも、手は雑菌でいっぱい!
普段何気なく触っているスマホやパソコンにも菌はたくさんついていて、不特定多数の人が触るような電車の吊革も雑菌だらけだといわれています。普通に生活しているだけでも、「手にはたくさんの菌がついていて汚い」ということを理解し、手洗いの大切さをいま一度考えてみましょう。
4-3.コンタクトの前に自分の手!正しい手洗い10項目
- (1)流水で軽く汚れを落とします。
- (2)石けんを手に取り、泡立てます。
- (3)よく泡立てたら、石けんを置き、手のひらをこすり合わせます。
- (4)次に手の甲を反対の手のひらでこすります。
- (5)逆の手も同じように洗います。
- (6)両手を組むようにして指と指の間をしっかり洗います。
- (7)親指は反対の手でつかみ、手のなかで回すように洗います。(両手)
- (8)反対の手首をつかみ、ぐるぐると捻るようにこすります。
- (9)流水で石けんと汚れを洗い流します。
- (10)出しておいた清潔なタオルで手の水滴をしっかりと拭き取ります。
これで完璧!キレイなコンタクトレンズは、キレイな手から!