パソコンを使ったデスクワークやスマートフォンの操作が長時間続いた時、眼精疲労が原因の「頭痛」や「肩こり」の症状に悩まされているコンタクトユーザーは多いのではないでしょうか?
コンタクトレンズを装用している際に起こるからだの不調は、“レンズの見えすぎ”が原因かもしれません。普段、手元などの近い距離を見ることが多い近視のコンタクトユーザーの場合、遠くがよく見えすぎる度数のレンズは、常に目に負担をかけてしまいます。
今回は、頭痛や肩こりなどの不調を軽減・改善するための、レンズの選び方や日頃の注意点をご紹介します!
1.コンタクトの“見えすぎ”は自律神経のバランスに影響
目の負担が脳の負担にもなってしまう
視力矯正を目的にしたコンタクトレンズを装用するなら、できるだけ遠くまで、できるだけ鮮明に見える方が良さそうなものです。
しかし、“見えすぎるレンズ”を長時間装用すると、目の疲労の蓄積スピードはあがり、次第に脳にも負担をかけてしまいます。
脳への負担は、頭がズキズキと痛む頭痛の原因となり、作業効率も落ちてしまいます。
過度な度数のレンズは、よく見える分、目への負担も大きい
近視用のコンタクトレンズは、基本的に、遠くがよく見えるように度数を設定します。遠くにピントを合わせる際は、目の筋肉(毛様体筋)はリラックスした状態ですが、近くを見る時はピント調節のために筋肉が張りつめた状態になります。
過度な度数のレンズは、遠くも近くもくっきりと見える分、手元や目の前のディスプレイを見る際、副交感神経がより活発に働くため、自律神経のバランスに影響を与えてしまうのです。
2.ドライアイも頭痛や肩こりの原因に
目の乾燥は、酸素不足と血行不良につながる
コンタクトユーザーを悩ます頭痛や肩こりの原因は、見えすぎるレンズだけではありません。涙の量が不足することで起こる「ドライアイ」も、からだの不調の要因となります。
コンタクトレンズの装用時は、裸眼の時と比べて、涙の分泌量が少なくなり、目は乾きやすくなります。さらに、パソコンやスマホを操作していると、まばたきの数が減ってしまい、知らぬ間に涙の蒸発量も多くなってしまいます。
ドライアイは、目の細胞に十分な酸素が運ばれない状態であることから、目の疲れが溜まりやすく、頭痛や肩こりを誘発する血行不良につながってしまいます。
3.コンタクトユーザーの頭痛・肩こり対策
コンタクトレンズの度数を弱めに調整
見えすぎるレンズの度数が頭痛や肩こりの原因になっている場合、過度な度数を調整する必要があります。
遠くも近くもハッキリと見えるコンタクトレンズを望む気持ちは分かりますが、パソコンを使ったデスクワークの頻度や操作時間が多い人は、眼科に相談し、通常よりも1〜2度弱い度数のレンズを処方してもらいましょう。
かけ替え用のメガネを上手に併用
朝一番にコンタクトレンズを装用してから長時間が経過してしまうと、どうしても目の乾燥や疲れを感じてしまうものです。
ドライアイの症状や疲れを感じたら、できるだけ早く目を休ませてあげることが大切。とは言え、仕事の手をとめる訳にはいかないという場面もあるでしょう。
そんな時のために、レンズを一旦取り外して保管しておく準備と、かけ替え用のメガネを用意しておくことをオススメします。
目の健康を考えるなら、装用をずっと続けるよりも、メガネに切り替えることが懸命です。
人工涙液タイプの目薬を常備
頭痛や肩こりの原因となるドライアイ対策として、コンタクトレンズ専用の目薬は欠かせません。
目が乾燥していると感じてから目薬を点す対策はもちろん、お昼の休憩時間や仕事の合間に目薬を点す予防策も重要です。
使う目薬は、人の涙の成分に近い「人工涙液タイプ」がベストです。瞳からうるおいが失われないよう心がけましょう。
【まとめ】生活環境や使用目的に合ったコンタクトを選ぼう
コンタクトレンズが原因の頭痛や肩こりを、軽減・改善したいと思うのなら、それぞれの生活環境や使用目的に合ったコンタクトレンズのタイプと度数を選ぶことが大切です。
パソコンとにらめっこするデスクワークが多い人、自動車を運転する機会が多い人、趣味のスポーツの時にのみ使用する人など、同じ「視力矯正」が目的でも、求められる度数には多少の違いがあります。
頭痛や肩こりの症状に悩まないためには、目の疲れをできるだけためないことが最重要です。
コンタクトレンズの度数に違和感を感じたり、目の疲れを感じやすくなった際には、眼科で再度検査を行い、自分の視力、生活環境、使用目的に合ったレンズを処方してもらいましょう。