2020.5.30 コンタクト用と裸眼用の目薬の違いってなに?使い分けが必要? 目の乾きや不快感を解消してくれるアイテムといえば、目薬ですよね。店頭には、コンタクトレンズ用と裸眼用がありますが、それぞれの特徴の違いや使い分け方はご存知ですか? 商品によってさまざまな成分の違いがある目薬は、コンタクトレンズの装用感や性質に悪い影響を与えることもあるので、状況に応じた適切な使い分けが大切です。 大切な目の健康を守るためにも、今回は、裸眼用の目薬がコンタクトに与えてしまう影響やコンタクト用目薬の特徴をおさらいします。 1.裸眼用・ハードコンタクトレンズ用目薬には含有成分がたっぷり 目の状態や効果に合わせてちゃんと選ぼう コンタクトレンズ用目薬と言っても、ソフトレンズ用とハードレンズ用でも特徴は異なります。 ハードレンズは、ソフトレンズに比べると薬品の影響を受けにくい素材でできています。そのため、ハードレンズ用の目薬には、目の不快を解消したり、違和感に直接作用する成分が含まれていることがほとんどです。 また、裸眼用の目薬は、さらに有効成分の効果が重視されるので、目の不調や症状に合わせて適切な効果が得られる目薬を選びましょう。 とはいえ、症状を改善してくれる成分の中にも、点しすぎには注意を要するものがありますので、不安がある場合は眼科医の指示に従いましょう。 2.ソフトコンタクトレンズ用の目薬は「人工涙液型」が一番 乾きを“うるおす”が目的の目薬 ソフトコンタクトレンズ用として最もメジャーで、おすすめの目薬は、「人工涙液型」です。 人の涙とほぼ同じ成分でできているから、薬品による副作用やレンズの質に悪影響が出る心配はありません。「乾きをうるおすため」が第一ですので、ソフトレンズに限らず、裸眼の時やハードレンズの方でも安心して使うことができます。 最も目にやさしい目薬といえるでしょう。 3.コンタクト装用時はアレルギー用の目薬に注意 アレルギー用の目薬をコンタクトレンズ装用時に使用すると、有効成分がレンズにとどまって効きすぎてしまったり、レンズの質に影響が出ることがあります。 花粉症の時季など、やむを得ずアレルギー用の目薬を使用する場合は、次のような方法での使用または種類を選びましょう。 一時的に外す 我慢できないかゆみや目の違和感など、どうしてもすぐに目薬を点したい場合は、一時的にコンタクトレンズを外しましょう。 防腐剤が含まれていないものを選ぶ 目薬の成分表に「ベンザルコニウム塩化物」の名前を見つけたら注意が必要です。 「ベンザルコニウム塩化物」は防腐剤として用いられる成分で、レンズの表面に長くとどまることになると、大切な角膜を傷つけてしまう恐れがあります。 4.ソフトコンタクト装用時はもっと注意! ソフトコンタクトを使用している方は、「ベンザルコニウム塩化物」以外の成分にも注意が必要です。 清涼剤も角膜にダメージを スーッと清涼感を与えてくれる「清涼剤」にも同様に注意が必要です。強い刺激が与え続けられると、その刺激によって角膜が傷つくこともあります。 血管収縮剤が病気を隠蔽 血管収縮剤は、血管を一時的に細くすることで、目の充血を解消してくれます。ですが、場合によっては、根本原因である目の傷や病気を隠蔽してしまう可能性もある成分です。 充血がしばらく続くようであれば、眼科で診察を受けましょう。 【まとめ】目薬は複数種類を持ち歩くのがおすすめ コンタクトレンズ装用時と裸眼時では、使える目薬の種類も異なります。 使い間違いの可能性が出てきたり、何個も持ち歩くのは面倒と感じる方もいると思いますが、目的別に複数種類の目薬を常備するのもひとつの手です。 もしくは、レンズ装用時でも裸眼時でも使用できる、乾き対策の「人工涙液型」を常に持ち歩くのもよいでしょう。 間違った目薬の長期にわたる使用は、目の健康への大きなリスクとなります。 ぜひ今一度、お使いのコンタクトの種類と目薬の成分を照らし合わせ、問題がないかチェックしてみてください!
2020.5.18 コンタクトレンズの使用期限、なぜ守らないといけないの? 普段、ソフトコンタクトレンズをお使いの皆さんは、自分のライフスタイルに合わせて、1dayや2weekなどの使用期間を選んで購入していますよね。 使い捨てコンタクトレンズを使用している方なら、「キレイな状態の1dayならもう1日くらい使えるかも?」や「見え方も問題ないし捨てるのはなんだかもったいない…」とお考えになったことがるかもしれません。 しかし、もちろんご存知の通り、使用期限は守らなければいけませんし、期限を越えたコンタクトの装用は絶対NGです。 今回は、使用期限を超えたコンタクトレンズを使用してはいけない理由、日数を重ねることでコンタクトレンズにはどんな変化が起きるのかについてをご紹介します! 1.コンタクト「酸素透過率」は日に日に低下する ソフトレンズの性能はどんどん上がっているけれど 目の表面の「角膜」には血管が存在しないため、涙から酸素を吸収して新陳代謝をしています。そのため、瞳全体を覆うコンタクトレンズを使用する場合には、「酸素透過率」がとっても重要です。 酸素透過率とは、目にどれくらいの酸素を届けることができるかという、コンタクトレンズの性能を表す数値のひとつです。 近年、ソフトレンズの性能はどんどん上がっており、高い酸素透過率を売りにする商品も増えてきました。しかし、この酸素透過率は、あくまでも使用してすぐの数値。2weekタイプの使い捨てコンタクトレンズであれば、装用を毎日繰り返すたびに、酸素透過率は徐々に低下していきます。 角膜には十分なうるおいと酸素が必要 酸素透過率が低下してしまうことで、うるおいが必要な角膜に酸素が届きにくくなります。 その結果、再生不可能な内皮細胞の減少や、白目の部分に本来不要な毛細血管が伸びて、感染症のリスクも高まります。 開封から2週間の使用期間が過ぎてしまったコンタクトレンズは、酸素透過率がかなり低下している可能性が高いことから、そのまま使い続けることはハイリスクです。 2.1dayタイプのレンズはそもそも“薄い”つくり こすり洗いに適さないから無理矢理の洗浄はNG 1日の装用が終わったら、そのまま捨てる1dayタイプのコンタクトレンズ。着けていた時間が短かったり、外した後の汚れが目立たなければ、「もう1日くらい」と思うことがあるかもしれません。 しかし、そんな無茶はいけません。なぜなら、1dayタイプのコンタクトは、同じソフトレンズの2weekタイプと比べてレンズの厚みが薄くなっています。 使用後にこすり洗いをしようとしても、破れてしまう恐れが高く、こすり洗いをしたことによって目には見えないほどの小さな傷ができてしまうこともあります。 レンズの傷が原因となり、角膜にまで傷をつけてしまうと、感染症のリスクも高まるので要注意です。 3.使用期間は“容器から取り出した時点から◯日間” 2weekタイプのレンズは毎日のケアも丁寧に 密閉された新品のコンタクトレンズの容器の中は、滅菌処理された保存液で満たされています。 取り出してすぐのほうがレンズも“新鮮”ですし、2weekタイプのレンズなら、毎日の丁寧なケアが欠かせません。 そして、コンタクトユーザーが目の健康を保つために心がけるべきことは、「1day」や「2week」という使用期間を間違って認識しないことです。 トータルで◯日間使えるわけじゃない 1dayや2weekの使用期間は、「トータルで◯日間使える!」という考えではなく、「容器から取り出した時点から数えて最大◯日間使用可能」と認識し、徹底しましょう。 また、1日の装用時間や日々のメンテナンスにもしっかり気を配ることも大切です。 決して、2weekタイプを、「14回分使える!」と思ってはいけませんよ。 【まとめ】「ちょっとくらい期限を過ぎてても大丈夫」がトラブルの種 前の日となんら変わらない“見た目のレンズ”なのにと、渋々コンタクトレンズを捨てた経験は、ソフトコンタクトレンズをお使いの方なら、一度はあるのではないでしょうか。 しかし、コンタクトレンズは、私たちの目には見えない形で、酸素透過率の低下が進行したり、こすり洗いによる微細な傷が目に影響を与えている場合もあります。 「ちょっとくらい期限を過ぎてても大丈夫」という気持ちが大きな目のトラブルにつながってしまうかもしれない。そんな危機意識を持つことが、大切なあなたの目の健康を守るために一番大切な心がけです。