みなさんは、「スマホ老眼」という言葉をご存知でしょうか?
以前このコラムでも紹介した老眼は、本来40歳前後から始まる目の老化現象のひとつです。
しかし、最近では20代、30代の若い人たちの間でも老眼のような症状に悩む「スマホ老眼」の人が増えています。今回は「スマホ老眼」の症状・原因・予防についてまとめてみました。
1.スマホ老眼とは?
スマホ老眼とは、スマートフォンなどの携帯情報端末の長時間使用により「近くのものが見えづらい」「目がかすむ」などといった老眼に似た症状のことです。
このスマホ老眼は、加齢による老眼と同様、目のピント調節がスムーズにできないことにより起こります。
2.あなたはスマホ老眼?スマホ老眼チェック
では、実際に起こるスマホ老眼の症状をチェックしていきましょう。
- 遠くは見えるのに、近くの文字がぼやけてみえる
- 今まで眩しいと感じなかった光を眩しいと感じる
- ドライアイである
- 夕方になるとスマホの画面が見えにくくなる
- 目の焦点が合いづらい
- 目が充血する
- 目がかすむ
- 肩凝りや首凝りを感じる
- 頭痛がする
ご自身の目のお悩みとあてはまった項目はありましたか?
3個以上当てはまった方は、スマホ老眼の初期症状かもしれません。特に、1日2時間以上スマホを使用している方や、スマホの画面を至近距離で見る癖がある方は注意が必要です。
3.スマホ老眼のはなぜ起こる?
スマホ老眼の原因は医学的には「調節緊張」 と呼ばれ、スマホやパソコンなどの画面を長時間近くで見ることで、近くにピントが合ったままの状態から元に戻りにくくなり、目のピント調節が利かなくなるために起こると考えられています。
また、夕方になると目がかすんだりしょぼしょぼするといった症状が出てくる人は、スマホの強い光 によって目に入る光の光量を調節する虹彩筋に負担がかかっている事が原因だと言われています。
4.スマホ老眼にならないためには?
スマホ老眼を防ぐためには、スマホをなるべく見ないようにすることが一番の予防ですが、それは現代人にとって中々難しいことですよね。
なので、改善策としてはまず目を酷使しすぎないようにすることがが基本です。
なるべく目の調節筋肉の負荷を軽減してあげるように、長時間連続でのスマホの使用は避ける、画面に近づきすぎないといったスマホやパソコンの使い方を心がけましょう。
1:こまめに休憩を入れる
忙しくても、出来るだけ長時間連続でのスマホやパソコンの使用は避けます。目が疲れてきたら、一度手を止めて遠くを見ることもおすすめです。
2:スマホとの距離に気をつける
スマホを使用する際は、目との距離を離して見るように癖づけましょう。出来れば40cm以上離して見ることが理想とされています。
3:ドライアイを防ぐ
意識的にまばたきを行ったり、目薬をさしてパソコンやスマホの使用からくるドライアイを防ぎましょう。酸素透過率の良いコンタクトに変えることも効果的な対策のひとつです。
4:スマホ照度は適切に
スマホは画像や文字が発光体なので、知らないうちに眼にダメージを与えてしまいます。スマホの画面設定を少し暗くしたり(60%~70%に画面の明るさを調節しましょう。)、夜はナイトモードに設定して使用することも効果的です。
5:スマホ老眼体操を行う
これは遠近トレーニングといい、近くのものと遠くのものを交互に見ることによりピント調節機能を回復させることができます。
- ペンを手に持ち、体から20~30cm離します。近くにない場合は、ご自身の指でも可能です。
- そしてペンの先を、2~3秒ほど両目で見た後、そのペンの直線上にある遠くのものを見つめます。(できるだけ遠いもの)
- これを交互に10回繰り返し、1日3セット以上行います。
コツは、対象物を見るとき何となく見るのではなくしっかりピントを合わせるようにすること。そうすることで、トレーニングの効果が高まります。
6:目を温める
蒸しタオルや、ホットアイマスク、繰り返し使えるクリークピローで疲れた目元を温めてあげると血行が促進され、眼精疲労が緩和されます。
【まとめ】
いかがでしたか?「スマホ老眼」は、一時的なことだと思っていると慢性化してしまうこともあるので注意が必要です。
最近は技術の進化で、スマホやパソコン、タブレットといった電子機器の使用が昔に比べ確実に増えています。また、大人だけでなく子供たちもスマホの普及やICT教育の導入など、電子機器による目の負担はますます大きくなっています。
技術は進歩しても、人間の目は電子機器に対応できるようにはまだ進化していません。
替えの効かない私たちの大事な目。しっかりとケアを行いながら、目の健康を維持をすることが大切です。このコラムをきっかけに、スマホやパソコンといった電子機器との上手な付き合い方について考えてみてはいかがでしょうか。