コンタクト利用者の悩み!ドライアイ対策と選ぶべきコンタクトレンズ

コンタクト利用者の悩み!ドライアイ対策と選ぶべきコンタクトレンズ

コンタクトレンズを装着する人は、裸眼の人よりもドライアイになりやすい傾向にあると言われています。「目薬をさしても、すぐ乾いてしまう。」「コンタクトの異物感が耐えられない。」その理由は、涙の量が大きく関係しています。

コンタクトレンズは、涙の力を利用して目の表面に浮かんで視力矯正してくれますが、涙がコンタクトレンズに吸い取られたり、涙が蒸発しやすくなるなど涙の状態が変化しやすく、ドライアイになりやすいのです。

実際、目が傷つくなどのコンタクトレンズ障害の約9割にドライアイの症状が見られます。快適にコンタクトレンズを使うためにも、正しい知識と予防法を身につけましょう。

1.ドライアイ最大の原因は涙不足

1-1 ドライアイ最大の原因は涙不足にあり

コンタクトレンズを使用している方は、使用されていない方に比べて目が乾燥しやすい状態にあります。目は、酸素を大気中から取り入れるために呼吸をしています。ところが、コンタクトで角膜が大気から遮断されると、思うように酸素が取り込めません。

酸素不足で目の代謝が低下すると、涙の量が減り、さらなるドライアイを招きます。しかも、代謝が悪いと、古い涙と新しい涙の交換が不十分になり、涙の質が低下。そうなると涙の成分バランスが崩れ、目の表面に定着しにくくなります。

涙も減り、目も乾きやすくなる。このようにコンタクトによって目の機能が十分に働かなくなり、ドライアイや疲れ目の大きな要因となってしまうのです。

1-2 あなたはドライアイ?まずはセルフチェック

  1. 目が疲れやすい
  2. 目がすぐに乾く
  3. モノがかすんで見えることが多い
  4. 目に不快な感じが残っている
  5. 目に痛みがある
  6. 目が充血している
  7. まぶたが重たく感じる
  8. 涙が出やすくなった(感動して出る涙ではなく、ホコリなどが入って出る涙)
  9. 目のかゆみがとれない
  10. 光を見ると、以前よりもまぶしく感じるようになった
  11. 目の中がゴロゴロする
  12. 目やにが増えた

症状が5つ以上出ているのであれば、ドライアイかもしれません。

※ すべての症状がドライアイのみに起因するということはありません。チェックが複数当てはまった人はドライアイの可能性がありますので、眼科医にご相談ください。

1-3 ドライアイになると、どうなるの?

「若い人の病気でしょ?」「別に大したことないんでしょ?」これは、ドライアイでありがちな誤解です。

ドライアイを軽く考えていませんか?ドライアイは、涙と粘膜で目を守るシステムの異常が原因の病気です。放置すると重症化する恐れがあります。ドライアイの症状は「目が乾く」だけと誤解されがちですが、実はそれだけではありません。

粘膜に異常があると、まばたきによる摩擦が増えます。その結果、「ゴロゴロする」「違和感がある」「痛い」といった不快な症状をもたらします。

レンズの働きをしている目の表面がデコボコになって光が正しく通過しないため、「かすむ」「まぶしい」など、見えにくさに影響が出ます。見えにくさは、疲れ目にもつながります。見えにくい状態を長期間ガマンし続けていると、心の健康に影響するという報告もあります。

ドライアイは、どんな人もかかる可能性があります。日本のドライアイ患者数は推計約2200万人。長時間パソコンやスマートフォンの画面を見続ける若い人がドライアイを訴えることが多いのは事実ですが、年齢を重ねるとともに涙をつくる機能や粘膜が衰え、ドライアイになる可能性が高まります。

この結果、受診する人の半数近くを50歳以上の方々が占めています。ドライアイかも?と感じたら、眼科医に相談しましょう。

2.まずは身近にできるドライアイ対策から

2-1 とにかくまばたきの回数を増やす

スマートフォンやパソコンの普及により、私たちは日常的に目を酷使する環境にあります。人間は画面を集中して見ているときは、まばたきの回数が減少します。

通常では1分間に20~30回のまばたきをしますが、画面に集中しているときは、まばたきの回数が約4分の1に減少。まばたきの回数が減少するということは、目の表面が涙で十分に覆われなくなり、目に傷がついたり、目がかすむ、ゴロゴロするなどのトラブルを招きます。

意識してまばたきをすることで、目の乾燥を防ぐようにしましょう。

2-2 疲れたな、ゴロゴロするな…そう感じたらすぐ目薬を

なによりも大切なのは、目の乾燥を防ぐこと。コンタクトレンズ上から使用可能な人工涙液の点眼液を用法・用量に沿って点眼し、乾燥から目を守るように心がけましょう。

一度開封した目薬は、長い間放置したりせずに、できるだけ早めに使い切りましょう。何年も前の目薬を使って、細菌感染などで目の病気を引き起こすと大変です。

2-3 定期的にケアして、コンタクトレンズを衛生的に利用する

帰宅すると、コンタクトレンズを外さずに疲れて寝てしまっていませんか?

これは、とっても目に負担をかけ、角膜漬傷をおこしやすくなります。コンタクトレンズは医療機器。1Dayのコンタクトレンズを1日以上つけないなど、使用期間を守りましょう。また、適切な洗浄・保存方法で管理しましょう。

汚れたままのレンズは、目に負担をかけるだけでなく、細菌が繁殖し、ドライアイはもちろん、角膜漬傷を引き起こす原因になります。

3.ここに注目!ドライアイの人向けコンタクトレンズの選び方

3-1 ドライアイなら本来はハードコンタクトを選ぶべき

ソフトコンタクトレンズは、素材自体が涙を吸収して蒸発させる性質があるので、すでにドライアイになっている人は、症状が進んでしまう恐れがあります。

ドライアイを対策するなら、コンタクトはソフトよりハードのほうが断然効果的。なぜなら、ハードコンタクトレンズの方が、酸素透過率が高いからです。

3-2 目の酸素透過率に注目

角膜(目)へ酸素をどれだけ供給できるかという割合です。角膜は酸素が欠乏してしまうと病気にかかってしまいます。角膜障害などの病気にかかると、視力の低下や失明へとつながってしまう可能性もあります。

また、角膜内皮障害が起こる可能性があります。角膜内皮障害になると目に酸素が届かなくなり、角膜の細胞が酸欠状態になり細胞が死んでしまいます。そうすると角膜の透明度がひくくなり、視力が低下するのです。

3-3 コンタクトレンズ自体の含水率もチェック

もうひとつ、ドライアイ対策に重要なポイントがあります。それはコンタクトレンズの含水率です。含水率とはコンタクトレンズが吸収する水の割合のこと。コンタクトレンズは自身が乾かないように常に涙から吸水していて、 目に行き届くはずの水分を吸い取っています。

この数値が高くなるとコンタクトレンズが吸水する水の量が増え、目に行き届くはずの水分がコンタクトレンズに吸い取られてすぎて、ドライアイの原因となるのです。しかし、含水率は低ければ低いほど良い訳でもありません

コンタクトレンズが水分を保っていないと、目がゴロゴロしてきて逆に角膜を傷つけてしまいます。結局のところ、自分のフィット感に応じたコンタクトを探すのが一番。その上で含水率をできるだけ下げるのが、目の健康やドライアイ対策に効果的だと言えます。

最近ではコンタクトの素材も変わってきて、低い含水量でドライアイ対策になるものも出ているので、医師に相談して自分にあったものを見つけましょう

3-4 コンタクトレンズを清潔に保つのが何よりの対策

その他にも、ドライアイ対策に向いているコンタクトレンズと言えば、1Dayタイプの使い捨てコンタクトレンズです。常に清潔なレンズを使うので、目への負担が少なくなります

また、最近ではドライアイ用のコンタクトレンズも発売されています。従来の使い捨てコンタクトレンズより素材自体が柔らかく、目にフィットしやすい上、レンズの素材に水の分子を引き寄せる性質を持つ素材を配合して、装着後に目が乾きにくいにように工夫されています。